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枕が恋しい日々

より視覚と簡潔さが求められる時代に適応できずにいるテキストブログ

携帯は置き物。

特別お題「おもいでのケータイ」

 

なおやのばーちゃん。

おもいでのケータイと言えば、俺はこの人を思い出す。

 

 

 

 

高校1年生のときだ。

当時はドコモのガラケーで、赤い折り畳み式だった。

中学生時代からPHSは持ってて、

メールはなんとかできるような代物ではあったけれど、

当時はパケホーダイなんていう贅沢なコースはなかったので料金を気にしながら連絡をする日々だった。

高校生になってからは、れっきとした携帯電話として使えるものになった。

友達とはメアド交換をし、iモードで学校の裏サイトを見たり前略プロフィールを見たりなんだり。

もはや前略プロフィールという言葉が懐かしすぎて、とげとげしい。

 

 

 

 

高校1年のころ、なぜかなおやのばーちゃんに非常にお世話になっていて、

雨の日は車で学校までなおやと一緒に送ってくれたり、

たまに迎えにきてもらったり。

なぜあんなにお世話になっていたのか、今では思い出せない。

どこの生まれかは分からないけれど、訛りと癖のある喋り方で、

たまに分からないのでえぇ、えぇ、そうですね。としか言ってなかった。

画像は参考イメージ。そう、トトロに出てくるばあちゃん。

 

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http://neoapo.com/characters/6838

 

 

 

ある雨の日、学校帰りになおやのばーちゃんに送ってもらうときにツタヤに寄った。

車窓のすき間からわずかに見える景色では、しとしと雨が降っていて。

 

 

なおやが用事があったのか、なおやのばーちゃんがツタヤ向かいの薬局に用があったのかはわからないけれど、

とりあえず降りて、雨やだなぁと思いながらツタヤに行った。

何事もなく用事は終わり、さあ家に帰ることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

で、家で気づく。

携帯がない。

え? 落とした? なんで? ポケットから落ちたのか、いつ落ちたんだろう?

直前まで車の中でメールしてた記憶はある。

なおやに連絡をする。

車の中にはないという。

ツタヤあたりで落としてしまったんだろうか。

なおやはばあちゃんに聞いてみる。

するとこう返ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁあの赤いやつかぁ?」

「間違って誰かが窓のすき間から車に入れたと思ってよお

 駐車場にそっと置いてきた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おい、ばあちゃん。

それ俺の。

 

 

確かに窓少しは開いてたけどさ、

そんなアグレッシブに携帯を車に投げ込む人いないよ。

 

 

急いで父に頼み、ツタヤに行った。

駐車場に落ちている携帯を発見した、が。

なぜか電池パックだけがない。

あたりを探しても見当たらない。

しかも雨に濡れて、どうしようもなかった。

 

 

 

その時の俺は焦っていた。

当時好きだった女の子とメールのやりとりをしていたからだ。

まだ告白はしていない、けれどいい感じではある、と雰囲気をつかみかけていた。

お互いの近況だったり、雨はやだねって話したり、他愛のない会話を続けていた。

送られているときにその子にメールをして、家に帰ったら返そうなんて思っていた。

それが急に返信もできなくなるなんてまずい。

無視しているかなって思われたら状況が厳しい。

そもそも学校内で喋るのすら難しいのに。

どうしようもない心の叫びが漏れる。

ばあちゃあああああああああああああん

 

 

嘆いても仕方がないので母と父に頼みこんでヤマダ電機で携帯を変えてもらうことに。

今すぐ!機種変更が!必要なんだよぉ! と頼み込んだ。

たぶん生まれて初めて。

わかった、でも明日にしなさい、ということでなんとか明日には連絡がつくことに。

すでに自分が送った何気ないメールから1日が経っていた。

連絡がこないことでなにか気がかりに思っているかもしれない。。。

もしかしたら心配をかけているかも。。。?

むしろ心配されていたらこれは確実に脈はあると言えるのか?

むしろ心配されててほしい?

いやはや心配しているだろう、一刻も早く連絡せねば!

 

 

 

 

 

 

新しい携帯は、やはりピカピカで。

いつだって、新鮮さが嬉しい。

まだ何も傷がついていなくて、大事に使っていこうと心強く思う。

手に入れたばかりのヤマダ電機で、

さっそくiモードセンターに通信し、未読メールを受信する。

連絡できなくてごめんね。心配かけたね、ごめんね。

そう言おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【受信メールは 0件です】

 

 

 

 

ん?

 

 

 

 

 

 

 

【受信メールは 0件です】

 

【受信メールは 0件です】

 

【受信メールは 0件です】

 

 

 

 

返信は、別に来ていなかった。

ちゃんとメールは送れていたよ。

なんか、こう、ね。

あ、はい。っていうかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー携帯落としちゃってさ! 新しい携帯に変えた!」

メールを送らざるをえなかった。

そしたら、すぐ返ってきた。

 

「そうなんだ、大変だったねー」

 

 

そんなもん、である。

思い出のケータイ、N700。

 

 


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