枕が恋しい日々

より視覚と簡潔さが求められる時代に適応できずにいるテキストブログ

師は即興音楽家

アドリブを書いてこいだなんて無理です。。。

書いてみたけどやっぱりダメでした。

自分の中に何も知識もフレーズもないんです。

 

 

 

そう言って断念してしまったアルトサックスのアドリブへの道。

何回か書いたけれど、何十年も音楽で、実際にライブなどをして食べていけているアルトサックスの先生にジャズサックスのレッスンを受けていた。

最初のレッスンで楽譜に書いていたカタカナのドレミファソを消されたときは驚愕し、

新しい社会人にもなって、生まれて初めての一人暮らしで過ごす休日といえばタバコ臭いスタジオに通って個人練習した日々。

2年弱通って、ただ息を吹きかけて指を動かしていたころに比べればめきめきと上達したものの、

セッションに参加するには必要なアドリブというのが本当にわからなかった。

なんの音を吹けばいいのか、耳コピすればいいというが二週間後に迫るレッスンでは到底できないし、

今まで楽譜に書いてあることでも精いっぱいだったのに何をアウトプットすればいいのか。

教本を使ったレッスンからアドリブのレッスンに移り、じゃあ次のレッスンではアドリブを1コーラス分書いてきて、と言われて冒頭みたいなことに。

2回ほど冒頭のようなアドリブが本当にわからないんです、というやりとりをしたあと、先生のレッスンを辞めることを決めた。

先生には2年後くらいにまた行きたいですとお伝えした。

それは本当にそう思ったくらいまだまだ自分には何もかも足りないと思った。

足りないなら知識をつければいいとか、本を読みながら半音階を使えばいいのかなとかあれこれやったけれど、

何よりもスタジオで一人で孤独に吹くのがつらくなったから。

教本やってたときは、

やることが分かるからまだよかったんだけどね。

 

 

 

アドリブをいつかやってみたいけれど、まだ自分の中には何にもない。

とりあえず練習はしていないと腕は落ちるので基礎練習はやらんといけんけど、

初心者のころに独学でやってもなあと、

理論の本読んだり、初心者でもできるアドリブのなんとか!とか読んだけど結構行き先に悩んだ。

とりあえず下記の体験レッスンに突っ込んでみたりした

・サイタの個人レッスン

島村楽器

・シアーミュージック

・山野楽器

・池袋のSOMETHIN' Jazz Clubの超超初心者ジャズセッション

 

 

山野楽器の先生とか、面白かったけどなあ。

最初のレッスンで雑談になったときに、

マウスピース自作してみたんだよ! 透明なんだぜすごくない!? でもめっちゃ吹きづらいんだよねえ笑

みたいな俺が好きそうな感じだった。縁がなくて残念。

あとはジャズセッションとか言ってみて、なんだかセッションぽいことを体験して、

それはそれで貴重な経験だったんだけれども、

俺には何がいい音なのか分からぬ。

と思って途中から行かなくなってしまった。

結局それとなく吹いてしまって終わりじゃないかなと。

 

 

 

今年の4月からまた生活が変わったので腹を決めてまた音楽教室に通い始めた。

今度はセッションをしたい人向けの講座ということで、

即興音楽家の方に習うことに。まあとりあえず体験レッスンを受けてみた。

最初は3音だけで音楽をやってみようと言われる。

7音も一気にやろうとするからわけわかんなくなっちゃうとのことで。

ソ、シ♭、ドの3音のみでとりあえず色々吹いてみた。そしたら吹けた。

なんだか色々メロディーが出てきた。

予期せぬリズムも出てきて、めちゃくちゃだろうけども、なかったと思っていた自分の中からいろいろなものが出てきた。

自分にしかその心境が分からないけれど、すごい変なことを言うと、自分のなかに音楽があったのか、とものすごく驚いた。

これがアドリブなのかあ、とはじめて認識した。

 

 

次は「ロンドン橋落ちた」をテーマにしたアドリブ講座。

最初はリズムを違うものに変えてみる。

次は音を足してみる。

次は音を減らしてみる。

音を減らしてみたときに、どの音がなくてもロンドン橋落ちたが成り立つのか?を探ってみる。

音を極限まで削いでみる。

そして足してみる。

違う音も足してみる。

ファで終わると気持ち悪い、ドミソは落ち着くということを発見する。

うわーファとかシで終わりそうだから駆け上ろうor駆け降りようとか、

イデアが出てくるようになる。

なんとか、ロンドン橋落ちたのアドリブができるようになった。

そして今日からはジャズスタンダードの曲で、セッションに行こうとなったら初心者はこれをやりたがるという「枯葉」のフェイクに挑戦することになった。

 

 

 

 

今日のレッスン終わりに先生にボソボソと、

自分は今までサッカーしかしたことがなくって

音楽は中学の時の苦手意識から脱し切れていなくて

アドリブも途中で挫折してしまったけれど、

なんとかここまで来れたこと、ついに枯葉のアドリブに挑戦できるのが嬉しい、

ありがとうございますとお伝えした。(今日挑戦してみたけどボロボロだったけれど)

急に真面目なトーンでボソボソと俺が話し始めたもので先生も「こいつ辞めるとか言い始めるのでは」みたいな顔されたけれど、単に御礼でした。

来年には本当にアドリブというのが分かってきて、

セッションに行けるのかもしれない。

 

 

 

ど素人からはじめても音楽って楽しいよ。

サッカーは腰痛めるから楽器より高くつく。