枕が恋しい日々

より視覚と簡潔さが求められる時代に適応できずにいるテキストブログ

魔窟

お題「好きな乗り物」

魔窟であった。

 

 

 

 

高校の友達と会った。

高円寺によく行ってたそうだから、

高円寺に行ってみよう、と。

ぐるぐる周りをうろついて、南に行ったり東に行ったり西に戻って更に南下したり。

七つ森という喫茶店に落ち着く。

カレーがおいしく、珈琲とケーキのセットも美味しい。

陰ながらおすすめのところだ。

懐かしい先生の話や、最近共通の友達が結婚したこと、いまの仕事の話など。

高校の美術の横山先生にもう一度会ってみたいなぁ

今あったらあんだけ面白い先生はなかなかいなかったんだろうな。

仲の良い何人かでガンタンクを天ぷらにしたものを自由作品のグループ提出物として認めてくれる先生なんてそういない。

ワケが分からないと思うけれど、当時の友達の発想が天才すぎた。

その美術の先生の友達で、リアルに描いた500円の画をコンクリートの上に置いておいて、それを拾う人たちを写真に撮る人の話は未だに覚えているなぁ。

あと青いつなぎを着ていて当時ネットで流行っていた漫画のキャラに似すぎてた。

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先生のイメージ

 

 

二軒目をどうするか。

それを考えていたときに通ってきた道を思い出した。

煌々と輝く「ミニ四駆バー」の文字が、そこにはあった。

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ミニ四駆なんてコロコロで烈アンド豪が流行ったときに少しかじったくらいで、

肉抜きすらできない自分には遠い世界だった。

それでも、当時はすごい盛り上がりようだったことは、よく覚えている。

ミニ四駆バー。

その看板を見て直感が告げている。

ここは絶対二度と行かない場所だ。

 

 

 

そして4階へ昇り、店内に入った。

まず、目の前に現れたのはリューター。

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研磨するための工具である。

そしてはんだごて。

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見たことない車体。

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ミニ四駆 製品カタログ

そしてありえない速さで曲がって行く四駆。

入った瞬間にこれは入る店じゃなかったと確信できた。

 

 

お店入るじゃん。

まぁ玄人たちとかいたらさ、なんだい冷やかしかいって感じで一瞥をくれるじゃん。

それでこちらとしてはおぉ、玄人しかいないな、みたいになるんだけどさ。

もはや自分のマシンのセッティングにしか興味がないからこちらを見ることもない。

間違いなく一見さんは入ってはならないところだった。

 帰ろう、という言葉をグッッッッと堪え、友達を無理やり付き合わせた。

 当初は烈アンド豪みたいに友達にミニ四駆を走らせてもらいながら「いっっっけえええええええええええええ」と叫びながらコースを並走してほしかったんだけど、

到底そんな雰囲気ではなかった。

 

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店内は休日恒例のレースの日だったらしい。

もちろん男性客しかいない。歳は30代から40代のアツイ世代だ。

居場所がない完全にモブキャラと化した我々は一通り試走を繰り返すレーサー達を見て、烈&豪の漫画を読む。

ファイター懐かしい。

烈と豪の、気合いでなんとかするそのスタイル、みんな大好きだぜ

そして店内でレースがついに始まった。

コースは荒れ狂った波のよう。

 

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特別コース

 

 

 

 

続々とコースアウトしてしまうミニ四駆たち。

確実に走り抜くか、それでも疾さを求めるか、選択を迫られる。

「ここで追い抜くのかー!?  ああっとコースアウトー!!」

店員さんの実況に熱がこもる。

ただ、ミニ四駆が速すぎて実況が全然間に合っておらず、それでいて観客もさしてレースを観ていないことは問題だと思う。

 8人のファイターが戦い、走り抜け、そして頂点を決めた。

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 速すぎて見えないレベル。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして全く盛り上がりはせずすぐに第二ヒートのために準備を始める漢たち。

彼らは一度の勝利になんて満足しないのだ。

クールに、そしてアツく。

己の車体の調整を続けるのみだ。

 

 

 

 

 

 

 

ほんと第二ヒートなんていらないから本当に帰りたかったけど、

ここで帰ったらなんかモブキャラとしても負けた気がするから第二ヒートも観た。

手持ち無沙汰なので販売しているミニ四駆を見てみる。

店員さんが解説してくれた。

モーターの位置は変遷していて、俺が知っているのは車体の後ろの方にモーターが載っているものだったのだけど。

フロントモーターになっていたり、中央部にモーターを持ってきたりと、時代によって進化しているそうだ。

製品番号が1から始まるのが汎用で売ってるもので、9から始まるのが数量限定品なんですよ。

ありがとう、もう、お腹いっぱいです、ありがとう。

 第二ヒートを見届けて、帰った。

帰りのエレベーターでは笑いが止まらなかった。

きっと使わないポイントカードが、また一つ増えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

高円寺のミニ四駆バー。

どなたか、ぜひ。

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背中を見て育つのだ。

お題「インスタ映え」

日曜日。

 

たいていが暇だ。

暇を持て余している。

最近世界を救って、ロトゼタシアに平和をもたらしてきたりした。

どうしよう、もうやることがない。一通りやりこんでしまった。

ドラクエ11 3DS版。

 

www.dq11.jp

 

いやー今回のドラクエは本当にストーリーがいい。

泣かせる部分もあるし、全シリーズやってきた身としては心躍るシーンばっかり。

10だけはver.1しかやってないけれど、主にⅠ、Ⅲの話が関わってくることが多いのかな。

もうね、裏面のEDの最後の最後のシーンとかね。

そこにつながるかー!!って感じでもうたまらない。

それが本日、日曜日の昼12時。

どうしよう、人生の楽しみもひととおりおわってしまった。もはや余生。うつつをぬかしつくした。

はい、趣味は世界を救うことです。ええ、主に画面上の。

スキルですか、両手剣に振りました。フリーズブレードって、使えます。はい、氷の。

 

 

 

 

このままでは鬱々としてしまうので、楽器を吹きに行くことにした。

あと17時から個人参加フットサルも入れてみた。

孤独を紛らわす道具はあればあるだけいい。運動もしたいし。

カラオケ屋が近所にないので、2駅となりのカラオケ屋まで自転車で。

楽器背負って向かうのは結構重い。

しかもこの前走ったばっかりなのに後輪の空気が抜けてて仕方がなく空気を入れた。

このとき、気付けばよかったのだけども。

そして向かう道を間違える。思った以上に遠い。

 

 

 

今日は基礎練習を少しと楽譜見ながら吹けなくてちくしょうちくしょうと言いながら吹く練習。

ほんと難しいよね。なんでやってんだろね。幼少期にやったことないのに。

ジブリの曲とか少しなめるようにさらって気分転換に好きな曲吹いて終わらせた。

酒とバラの日々」が吹けるようになった。アドリブできないけど。

2時間練習してみたんだけど、1300円くらい。

近くのスタジオで2時間1000円くらいだからそっちにすればよかったかなぁと思った。

そして駐輪場に戻る。

時間ギリギリで100円を請求されたことに舌打ちをし、心の狭さを遺憾なく発揮してきたところで、

自転車の後輪がパンクしていることに気付いた。

向かうときは普通に乗れたのに。。。

 

 

OK. Googleろう。

うん、近くの自転車屋は、本日休日でした。Hey Siri! オンにしてないわ。恥ずかしいもん。

交番で聞いてみると、「もうこの近くだとないですね」おわた。日曜日おわた。

いま16時。フットサル17時。チャリがないと行けない。

落ち着こう。素数を数えるんだ。2… 3 5… 7… 落ち着くんだ…『素数』を数えて落ち着くんだ…『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字……わたしに勇気を与えてくれるなんで素数数えてるんだ俺落ち着かないわプッチ神父じゃないんだから。

仕方がない。自転車を置いて、電車に乗って家に急いで帰って、フットサルの道具もって向かえばぎりぎり間に合う。

もう一度自転車を駐輪場に入れて、電車に飛び乗る。ふう、やれやれ。

各駅停車に乗ればなんとか家まで10分くらいで帰れるだろう。

家の最寄駅は各駅停車しか止まらない。

したがって、急行列車に乗ってしまうと、5駅くらい通りすぎることになってしまう。

要注意だ。 

 

 

 

 

そして電車は止まらない。急行列車に乗っていた。

 

 

 

 

揺らり揺られて急行電車。

窓を見やると、外は夏の夕暮れの前、今日はいい天気だ。

気温もちょうどよく、運動のしがいもあっただろう。

ぶらり途中下車も叶わないので、視線を電車の中の広告に向け、口を真一文字に結び、

俺はいったい何をやっているんだろう。

そういう思いを噛み殺しながら、大人しく自分の家の最寄駅を過ぎ去り、ああ、もう、

まぁもう仕方ないや。

俺ならよくあること。

28年生きてて、もうわかってる。治らない。

生きていればこの先いいことあるわ。たぶん。ああ、もう。

フットサル場にはごめんなさいと平謝りのメールを送り、急行列車が目的駅に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

今更家に帰っても自転車はどうしようもないので、

また急行列車に乗って元の駅まで戻る。

急行列車に乗ったせいで、またしても駐輪場で時間ギリギリで100円を請求されたことに本日2度目の舌打ちをし、心の狭さを精一杯披露した。

そして楽器を背負いながら、自転車の後輪を持ち上げて歩いて帰る。2km。地味につらい。

本当に何やってんだろう。

歯が壊れるんじゃないかと思うくらいにその言葉を丹念に噛み砕いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

へとへとになりながら自転車を自宅最寄の自転車屋に預け、

家に帰る。

このままでは何にもならないので、近所の公園でリフティングとか蹴鞠でもしに行くことにした。

ちなみにサッカーをやったことのない人にリフティングというものを分かりにくく説明すると、蹴鞠は数人でボールを上空に蹴り上げて落とさないようにする遊びですが、

一方でリフティングはそれをぼっちでやる感じです。

一人で。落とさないように。たまに一人で慌てながら。

蹴鞠 - Wikipedia

 

 

公園には

ちょっとやんちゃそうな高校生くらいの子たちが8人くらい、サッカー少年とその母親、ボールを蹴っているじいちゃん、野球をやっている少年たち。

意外と人が多いので、すみっこでリフティングをすることに。

やんちゃそうな子たちは公園を広く使ってサッカーのミニゲームをしていて、たまにボールがこちらに来るので怖い。絡まれたら逃げようと心に誓った。

そして近くには小3くらいのサッカー少年と母親。

どうやらリフティングが課題?なのか分からないけれど、

ところどころ盗み聞きしている限りは「400回やるまで家には帰れない」らしい。

それが通算なのか、連続でなのかわからないけれど、小3くらいで連続400回やれたら大したもんだと思うんだけど。

 

 

しかし気に食わない。

少年がボールを落とすたびに、「ちゃんとやって」「集中して」「やるって約束でしょ」と叱る。

少年は数回しかできなかったことに嫌になって、早く帰ろうと言う。やりたくないと言う。

母親に文句を言われることに対して、「だったらなんでお母さんここにいるの」って言う。

どういう経緯なのかわからないけれど、約束をしたのだったら約束を守るということも大事だろう。ここで甘やかして、諦めるのが得意になっても、この先大変だろう。

それでも心情的には、少年の方に同情してしまう。

ちゃんとやって、集中して、って言われたって、なぜ自分のリフティングが上手くいかないのか、問題解決の糸口になってない。指示があやふやすぎる。

ちゃんと(ボールを見て、どういう風にければいいのか、足を上げればいいのか、足のどの点に当てればいいのか、失敗したときの足の角度がどうだったのか、上手く行ってたときと上手くいってないときの差は何なのか)考えて、なら分かる。

集中してっていうのも意味が分からない。集中したら上手くいくのか、それがリフティングが上手くいかない理由だったのか、たしかに考えられる理由の1つではあるけれども、偉そうに知ったかぶりでいうと、見たところヒザが固く、腰が引けているので、次にボールを蹴るときに動作が遅くなるんだと思う。集中すりゃいいってもんじゃない。体力消費するだけだと思う。

とにかくボールに触れてないとわからないことだらけだし、小3のときにそれやれって言われたって俺もできないと思うけれど、

少なくとも約束とか、400回を無理難題をあきらめないで少しでも上達するようにやらせたいのか、無理難題をやらせたいのか、400回という約束を守らせたいのか、言うことを聞かせたいのか、わからなかった。

ご家庭のね、事情を知っていたら、また違う意見も出るんだろうけれど、

まだ親でも、ましてや母親になることがない俺にはよう分らんかった。もちろん、子供を育てるって、ものすっごく体力も精神も必要なことだから、自分も余裕がなくなるとは思う。

っていうね、言い訳を置く。

親にもなってないし、なれんのかもわからないけれど、大変なのは頭では分かるよーーでもやりたいことを1つに絞ったら子供も分かりやすいと思うんだけど。。。って思った。

まぁぶっちゃけ子供の立場で思ったら「だったらなんでお母さんここにいるの」っていう一言になるんだけど。それもお母さんは腹立つだろうな。

 

 

 

 

 

俺はロトゼタシアを救う勇者ではあるが、現実世界で知らん家庭の教育事情に入り込む勇気はない。

それでも参考になればと思って、隣でなんとかリフティングを続けてみる姿を見せよう。

久々に頑張ってみようと思ってリフティングを続けた。

上手い人を見てきて、あくまで自分の意識してきたことだけど、

ボールはなるべく回転をかけないように。回転かけても自分に向かう縦回転にするように。

ボールはひざ下以下の高さにするように。

膝は柔らかく、次に変な方向にボールいっても届くように。

蹴るリズムは一定にするように。

地面はでこぼこだから、その都度足の甲の角度は注意して。

 

 

 

 

 

 

 

100,200,300,うわあぶな、400,500! 

久々に500回もできた! 少年! 見てた!? 俺頑張ったよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年は、相変わらず怒られてた。さっぱり見られてませんでした。

日曜日が、終わった。

ああ、いい、天気だった。

 

 

※お題に「インスタ映え」を選びましたが、本題に全く関係ありません。気分です。

角取り

お題「もう一度行きたい場所」

 

「こんな感じの髪型でお願いします」

画像を見せて。

サイドはこんな感じで。ああ刈り上げても大丈夫です。どうせ伸びますしね。

 

 

 

 

 

 

美容院での会話というのが苦手なので、雑誌を読みふける。

 

顔を上げる。

 

 

角刈りの自分がいた。

 

 

 

 

スポーツ刈りとかね、角刈りは難しいとか聞くけど、

確かに角ばっていた。

ソフトモヒカンにしたかっただけなんです。

サイドを短くしたかっただけだったんです。

これが制作途中だと思ったら、申し訳ない程度に真ん中の髪を立たせて終わった。

 

「ど、どうですかね・・・?」

なんて自信なさげに鏡を見せられたら、

大丈夫、君のやり方は間違ってないよ

なんて顔をして、表面的な笑顔で「大丈夫です」と満足気にうなずいた。

 

 

 

泣く泣く風呂で角刈りみたいな頭を、せめてごまかそうと角を削った。

こうやって人は丸くなっていくのかもしれない。

もう一度行きたかった場所、美容院。

 

ご注文を、させてください。

お題「思い出の味」

秋田で高校の時に仲が良かった友達の結婚式があった。

天気ははじめはしとしと降る雨。

ありがたいことに仙台から友達の車に乗っけてもらうことになった。

秋田までは高速道路を使って3~4時間程度。

 

 

乗っけてもらった友達はプラスチック成形を仕事にしているので、

話の半分以上はプラスチック成形の話になった。

まったくどうかと思う。4時間くらいのドライブなのに。まったく。プラスチックの話ばっか振ってたの俺だけど。

途中、雨降りすぎてワイパーが追いつかないくらいになり、

高速道路なのに前の車すら見えない状況で死ぬかと思ったが、

少ししたら晴れて無事に秋田駅に着いた。

 

 

 

秋田駅は意外と綺麗。というかとてもきれい。

blog.goo.ne.jp

秋田駅のリニューアル後が載っていたブログ

時間までは結構あるので、送迎バスの近くの喫茶店を探す。

 

 

喫茶店をめぐるのが趣味なので、よくgoogle mapで「カフェ」「喫茶店」などと調べて気になった店に★を付けている。

今回もGooglemap様に頼り切り、探してみると、近くに1つだけ見つけた。

レビューはついていない。怪しい。だからこそ行こう。

明らかに廃ビルみたいな階段を昇ると、

ポッと明かりのついた静かで洋食屋も兼ねていそうな喫茶店の店構えが出てきて安心した。

まさに隠れ家のよう。きっと常連さんしか来ないのだろう。

まぁいい感じじゃん、と二人で入ってみる。

店主らしきおばちゃんは、見たことがない客が来たことに驚いた様子だった。

大丈夫かな?という不安も一瞬よぎった。

 

 

不安は3秒で消え去った。

「お、サイフォンじゃん」

思わずつぶやいてしまった。

 

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サイフォンのイメージ

 

コーヒーを淹れるサイフォンセットが置いてあったので、

なるほどここは本格的なお店に違いないと。間違いないと。

知ったかぶりでも、サイフォンでコーヒーを淹れるところはおいしいところが多い。

このおばちゃん、実はこだわってたんだな、大丈夫かなんて偉そうなこと思ってしまった。

食事ですか? 飲み物ですか? と聞かれたので、飲み物です、とだけ答えて席に着いた。

ふーやれやれ、外は歩くと暑いもんだなーと二人で話をする。

 

 

 

水が来る。

 

 

 

 

話をする。

 

 

 

 

 

 

 

話をする。

 

 

 

 

 

 

 

メニューがこない。

 

 

 

 

 

 

 

まさかね。と思った。

 

店主のおばちゃん、水を出してくれたあと、

コーヒーメーカーにカップをセットしてたから。

サイフォンは使われなかった。

二人分のコーヒーが容赦なく出てきた。

お待ちどうさま、と。

おばちゃんはカウンターに戻った。

そして、店主のおばちゃんはもう1つカップを用意し、

自分の分のコーヒーを、淹れた。

まぁめげてはいけない。

この時点で何かがおかしいと思いつつ、コーヒーを口に含む。うん、適度なコク、苦味、いい感じだ。ローソンの方が断然うまい。

 

 

 

結婚式場行きのバスを待っているだけだったので、

何時にここ出ようかと話してたら、おやつを出してくれた。

揚げてある竹輪状のお菓子が丁寧に、一口サイズに切られて皿に盛られていた。

秋田はきりたんぽで有名だ。

コメを潰して、練って筒状にしたもので、鍋によく使われる。

郷土料理としても有名で、地鶏からとったスープと合わせると最高である。

 

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「秋田だからきりたんぽ揚げたやつかな?」

なるほど、さすが俺の友達は勘が鋭い。

メニューも来ないままコーヒーが出るとは驚いたけれども、

名物をちょっとしたお菓子にするなんて粋だなぁ

なんて思いながら、2人で食べてみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うまい棒コンポタ味だこれ。

 

 

 

もう笑いが止まらなかった。

サイフォンあるじゃんって本格的なコーヒーだと思ったら

市販のコーヒーメーカーのポットからコーヒー出てくるし

そもそもメニューがこないし

お菓子がきたと思ったらコンポタ味のお菓子が切られたものだった。なぜ切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と友人は、店を出た。

会計は700円。

きっと、そこにはおばちゃん分のコーヒー代も入っているのかもしれない。

ごちそうさま、と店を出た。

また来るよ、いつになるか分からないけれど。

今度はメニューを見せてほしい。

他に何があるのか、すごく気になる。

そして次こそ、注文をさせてほしい。

 

 

結婚式はとてもよかったけれど、二次会のあとで新婦さんに衝撃的なことを言われ、

昔を思い出した。

それについてはまた次に。

 

携帯は置き物。

特別お題「おもいでのケータイ」

 

なおやのばーちゃん。

おもいでのケータイと言えば、俺はこの人を思い出す。

 

 

 

 

高校1年生のときだ。

当時はドコモのガラケーで、赤い折り畳み式だった。

中学生時代からPHSは持ってて、

メールはなんとかできるような代物ではあったけれど、

当時はパケホーダイなんていう贅沢なコースはなかったので料金を気にしながら連絡をする日々だった。

高校生になってからは、れっきとした携帯電話として使えるものになった。

友達とはメアド交換をし、iモードで学校の裏サイトを見たり前略プロフィールを見たりなんだり。

もはや前略プロフィールという言葉が懐かしすぎて、とげとげしい。

 

 

 

 

高校1年のころ、なぜかなおやのばーちゃんに非常にお世話になっていて、

雨の日は車で学校までなおやと一緒に送ってくれたり、

たまに迎えにきてもらったり。

なぜあんなにお世話になっていたのか、今では思い出せない。

どこの生まれかは分からないけれど、訛りと癖のある喋り方で、

たまに分からないのでえぇ、えぇ、そうですね。としか言ってなかった。

画像は参考イメージ。そう、トトロに出てくるばあちゃん。

 

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http://neoapo.com/characters/6838

 

 

 

ある雨の日、学校帰りになおやのばーちゃんに送ってもらうときにツタヤに寄った。

車窓のすき間からわずかに見える景色では、しとしと雨が降っていて。

 

 

なおやが用事があったのか、なおやのばーちゃんがツタヤ向かいの薬局に用があったのかはわからないけれど、

とりあえず降りて、雨やだなぁと思いながらツタヤに行った。

何事もなく用事は終わり、さあ家に帰ることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

で、家で気づく。

携帯がない。

え? 落とした? なんで? ポケットから落ちたのか、いつ落ちたんだろう?

直前まで車の中でメールしてた記憶はある。

なおやに連絡をする。

車の中にはないという。

ツタヤあたりで落としてしまったんだろうか。

なおやはばあちゃんに聞いてみる。

するとこう返ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁあの赤いやつかぁ?」

「間違って誰かが窓のすき間から車に入れたと思ってよお

 駐車場にそっと置いてきた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おい、ばあちゃん。

それ俺の。

 

 

確かに窓少しは開いてたけどさ、

そんなアグレッシブに携帯を車に投げ込む人いないよ。

 

 

急いで父に頼み、ツタヤに行った。

駐車場に落ちている携帯を発見した、が。

なぜか電池パックだけがない。

あたりを探しても見当たらない。

しかも雨に濡れて、どうしようもなかった。

 

 

 

その時の俺は焦っていた。

当時好きだった女の子とメールのやりとりをしていたからだ。

まだ告白はしていない、けれどいい感じではある、と雰囲気をつかみかけていた。

お互いの近況だったり、雨はやだねって話したり、他愛のない会話を続けていた。

送られているときにその子にメールをして、家に帰ったら返そうなんて思っていた。

それが急に返信もできなくなるなんてまずい。

無視しているかなって思われたら状況が厳しい。

そもそも学校内で喋るのすら難しいのに。

どうしようもない心の叫びが漏れる。

ばあちゃあああああああああああああん

 

 

嘆いても仕方がないので母と父に頼みこんでヤマダ電機で携帯を変えてもらうことに。

今すぐ!機種変更が!必要なんだよぉ! と頼み込んだ。

たぶん生まれて初めて。

わかった、でも明日にしなさい、ということでなんとか明日には連絡がつくことに。

すでに自分が送った何気ないメールから1日が経っていた。

連絡がこないことでなにか気がかりに思っているかもしれない。。。

もしかしたら心配をかけているかも。。。?

むしろ心配されていたらこれは確実に脈はあると言えるのか?

むしろ心配されててほしい?

いやはや心配しているだろう、一刻も早く連絡せねば!

 

 

 

 

 

 

新しい携帯は、やはりピカピカで。

いつだって、新鮮さが嬉しい。

まだ何も傷がついていなくて、大事に使っていこうと心強く思う。

手に入れたばかりのヤマダ電機で、

さっそくiモードセンターに通信し、未読メールを受信する。

連絡できなくてごめんね。心配かけたね、ごめんね。

そう言おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【受信メールは 0件です】

 

 

 

 

ん?

 

 

 

 

 

 

 

【受信メールは 0件です】

 

【受信メールは 0件です】

 

【受信メールは 0件です】

 

 

 

 

返信は、別に来ていなかった。

ちゃんとメールは送れていたよ。

なんか、こう、ね。

あ、はい。っていうかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー携帯落としちゃってさ! 新しい携帯に変えた!」

メールを送らざるをえなかった。

そしたら、すぐ返ってきた。

 

「そうなんだ、大変だったねー」

 

 

そんなもん、である。

思い出のケータイ、N700。

 

 


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走る病原菌

お題「プレゼント」

新年になってました。

 

あけましておめでとうございます。

今年もありがとうございました。

来年もまたお会いしましょう。

それではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、プレゼントをもらった。

生まれて初めてのインフルエンザ。A型。

今までかかったことがないから、自分にはよほどの免疫力があるのだろうと根拠のない自負をもっていたら、

ちょっと忙しくしてたらあっという間にかかってた。自らに負けた。

あまり病気になったことがないのが自慢だったのだけれど、

去年から思えば風邪ひいたりウイルス性胃腸炎になったりジャガイモの芽を剥かずにカレー作ってみたら体しびれたことあったり散々だ。

ジャガイモの芽にはソラニンという毒があって食べすぎると危ない。しかも耐熱性。

自ら作ったもので食あたりするっていうね。

なんだか悔しいからジャガイモだけ丹念に取ってそのカレーは食った。 

またしびれるんじゃないかとビビりながら。お、俺は自分に負けんぞ!と思いながら。この時点で色んなものに負けてる気がする。

 

 

 

自分がかかった病気ってなんかあったかなぁと思い出してみても、あまり思い出せない。

物心つく前に「あんた肺炎で死にかけてたよ」とは母から聞いたことはあるが、

まあ生きてるしなぁ。

でも、小学生のころ、お腹がとても弱くて。

一時間目の授業の途中がとてもお腹が痛くなりがちだった。

「先生、トイレいってきます」

とよく言う子どもではあった。

幸いうんこまんとか言われて・・・ない・・・とは・・・思うのだけど・・・

自分が小学生のころってのはどうしようもなくて。

サッカーのスポーツ少年団に入っていた。

先に入ってた兄の影響で、うーん、じゃあサッカーやってみよ、ということで。

クラブとか習い事とか、何を始めるかは自発性を促されたのだと思うが、

あんだけ休日も家族でサッカー漬けならサッカー以外に選択肢なかったんじゃないかと幼心に思っていたけど。

実際そのときサッカー好きかっていうと、まったくそうではなくて。

行きたくなくて嫌で嫌で仕方がなかった。

お腹が弱い性質を利用して、「あああああああお腹が痛いいいいいいいい」って感じでサッカーに行きたがらなかった。

いいから行けという母親を「鬼か。鬼なのか。」と思っていた。

一度は本当だったけれど、どうしても信じてもらえなかったことがショックで。

厳しいことで有名だった保健室の先生になぜか「お腹が痛いと言っても信じてくれないんです。。。」と人生相談をしたことを覚えている。

厳しい先生も神妙な顔でそうなのね…と。そのあとお子さん本当にお腹痛いみたいですよ、と親に話してくれたそうだった。

翌日、母から「今日は休んでもいいよ」と、サッカーの練習を休ませてもらったけれど、

なんだか罪悪感がとても残ったのでそれ以来練習を休まなくなった。

あまりお腹も痛くならなくなった。

心の持ちようである。

サッカーも5年生になって自分が身長高くなったらようやく楽しくなった。

まぁそういうなんてことのない小学生だった。

 

 

 

そんな内向きまっしぐら少年もそれなりに内向きたまには心開く社会人になり、

仕事大好きアイデア出すのたのしーなーという周りから見れば変な人になった。

ここ最近早め早めに後先の仕事終わらせようとして全力をかけてたら道半ばでインフルエンザにかかった。

おかしいな、と思って午後休とらせてもらって病院に行ったら珍しく熱が高かった。

溶連菌かインフルエンザですねーと言われ、

「よーし溶連菌こい!溶連菌!インフルだと会社いけん!やばい!溶連菌でいいよ!」

と思ってたけどあえなくA型インフルとの診察結果。

5日間は外でないで安静にしてくださいね。会社に行くのもダメ。

と言われ、なんだか居場所がなくなるような不安感。

 

 

色んな人にインフルの報告して、仕事関連の方に移ってませんようにと願いながらメール。

上司にはご迷惑をかけてしまい申し訳ありません、と。

色々楽しみにしてた週末の予定もパァになり、何やってんだかなぁって。

先輩たちにはドンマイと言われ、申し訳なさとわざわざ声かけてくれるありがたさと。

ひたすらに寝て、身体によさそうなもの作って食って。

悪寒と倦怠感も取れてきて、ようやく身体からウイルスが排出されている感じ。

治りかけの状態が一番性質が悪く、体を動かしたくなる。

でも自分が出かけると感染源がウイルスまき散らすことになる。

あーランニングでもしたい。

走る病原菌。

すごい、走る病原菌という言葉から世の中に必要とされていない感があふれ出てる。

まぁものすごい迷惑だわな。病原菌走ってるんだもん。二足歩行で。地に足着けて。しっかり腕振って。たすきかけて。短パン履いて。瞬足履いて。給水地点は逃さないように。サングラスは放り投げて。応援を力にして。発症しなかった溶連菌のことも思い浮かべて。辛い練習も思い出して。お前の分も頑張るからなって。涙を飲んでーーーー

 

でも走る病原菌なんてあだ名つけられたらしばらく部屋で体育座りして落ち込むと思う。

そんな俺に、家族がつけたあだ名が「インフルボーイ」

実家から支援物資はたくさん届いたので、

心配してくれているのだろうけど。

インフルボーイて。あだ名て。

インフルボーイは今日も早く寝ます。

おやすみなさい。27歳です。ボーイでもない。

 

走る病原菌のイラスト化に断念。(画力の限界)

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ラバーカップ、求めて。

トイレが、詰まった。

溢れそうで、溢れない、そんな駆け引きは、恋にも似ていて。

重い思いは、水に流そう。流れにくいけれど。

 

「お湯を入れると良い。」先駆者は言った。ブログで言ってた。

「熱湯は陶器が割れることがある。」そうとも言ってた。

ティファールも、煮え切らない態度のままで、50℃くらいにしたら、トイレに流してみた。

流した。

流した。

流した。

そして、水を、流した。

「人生、辛いことが9割、楽しいことが1割だよ」母はそう言っていた。

いつも安心しきっていた。

レバーを倒せば、水は流れ、管を通り、あふれ出た思いたちは長い旅をする。

日常が日常でなくなった時、人はこんなにも弱い。

 

 

 

 

今朝。

1週間前に作ったゆでたまごを食べてみた。

ヨーグルトも食べた。

「まぁ流れないわけではないから、小便はイケる」

人生における失敗の生まれ出でるところとは、大半がタカをくくったときだ。

昨日が無事に過ごせたとしても、1日で状況が変わることなんて、ザラだ。

お腹が、痛くなった。

トイレは、詰まったままだった。

 

待ってくれ、まだ、行かないでくれーーーーーー

なかやまきんにくんが自分の筋肉に語りかけるよう、俺は自分の腹部に声ならぬ声をかける。

俺は走った。

いや、むしろ歩いた。

あふれ出そうな情熱を、近くて遠いトイレとの距離に絶望を、感じながら。

自分の筋肉を部分的に収縮させ、慎重に歩いた。

 

 

外に出てみたら、街は地域の小さな祭りをしていた。

出店、黄緑色の法被を着たおじさん、おばさんたち。

演奏するであろう、中学生の吹奏楽部。

嫌な予感がした。

でも、予感が予感で終わることもある。

よかった。

開いていた。近所の地区センターの男子トイレ個室。

生みの苦しみは、生れ出たものと出会ったときに、喜びに変わる。

一人、誰にも分かちえないけれど、ガッツポーズを決めた。便座で、前にちょっと、かがみながら。

やさしく、拭いた。紙は、硬かったけれど。

 

 

ラバーカップを、ください。

108円。

 

 

何度も振り下ろし、溜まっていた思いは、穏やかな様相を取り戻す。

水はまた、長い旅に出る。

これがうちの自慢のラバーカップなんだ、そう見せつけるように、軒先に干した。

長い闘いだった。

目を閉じて、思いを馳せる。

秋空の、水色広がるさわやかな日だった。

 

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